中林忠良作 版画 「転位 '93-地（天と地 ）」
【長崎古版画】駄鳥之図　４色摺り　単品（H_009）\r\r　長崎古版画の真面目をあらわしたような、忠実なる写実にもとづく。面白味を買いたいと思います。\r\r　「駄鳥、俗説に火食鳥という」と、ことわり書きがありますが、明治以降、日本で駄鳥と称せられるのは、アフリカまたはアラビア半島産のオーストリッチです。ところが日本にはじめて舶載された駄鳥はニューギニア産のカゾアール、およびオーストラリア産のエミュウなど、動物分布学上有名なウォーレス線の彼方の産。つまりA・A諸国とは全く類を異にしてカンガルーやカモノハシなどと同一世界に棲息する珍鳥だったことが、この絵で一見してわかります。「アンポン、バンダー両州の産鳥也」とありますが、原産はニューギニア、しかし強健東鳥ですから飼育が簡単で、むかしは蘭船やインド各地で盛んに飼育されたものと見え、長崎にもしばしば渡来しています。「丈四尺余、毛色鹿の如く、毛並み蓑に似たり。眼するどく耳太く、足三ツ指にて逞ましく、咽に乗あり房の如し」という形容も「小石を投ぐれば、その石を呑み、炭火を與ふれば其火を食う、性静かなり」という記述も誇張や修飾がないものと見てよいのです。\r\r　ことジャガタラ人の飼育係が火ばさみで、消し炭を挟んで食わせようとしているところが真に迫っています。カゾアールはもちろん烈火のかたまりを食うわけではありませんが、カラケシの火など造作もなくくちばしで噛みくだき、消し炭そのものはかんたんに消化するわけです。\r\r　長崎古版画は百数十年間大切に保存されてきた版木（現在は長崎市立博物館所蔵）から、長崎最後の摺師武田紫鼓師の手により摺られた完全復刻版です。版木の傷みを考慮して当時200組が摺られています。版木の状態と摺師の存在を考えれば、今後摺られることはないでしょう。\r\r■長崎市立博物館所蔵の長崎版画を版木に依り完全復刻\r■摺　師：武田紫鼓師（長崎最後の摺師）\r■制作日：昭和三九年九月十日着手、十二月十二日完成　\r■制作数：限定二百組のセットバラシ単品\r■台紙サイズ：縦50×横36㎝\r■摺紙サイズ：縦33×横24㎝\r■摺数：４版・４色摺り\r■状態：摺り・保存は良好ですが、年代物につき汚れヤケ等は写真にてご確認ください。\r\r#NEZU版画・絵画\r#NEZU長崎古版画

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